「船に乗りたい」。
京都在住の筆者(子守)は祖父母の家が淡路島にあった関係で、子供の頃は船に乗る機会が多く、また船に乗るのが大好きだった。高速艇の中で食べた「竹ちくわ」、夜遅くにフェリーの着港を待ちながら駐車場で食べたカップヌードル、何故あんなに美味かったんだろう。船が好きだった。
その後「明石海峡大橋」が開通、成人してからは年齢のこともあって淡路島の親族も減り……などという理由が重なった結果、めっきり船というものと縁遠くなってしまった。
そして今、とても「船に乗りたい」。
子供の頃に生まれた船に対する憧憬。しかしながら京都市内から簡単にアクセスができて、船を楽しめるところなんて果たしてあるだろうか? いや待て、あるじゃないか、アレが。アラフォー以上の関西人の皆さんならTVCMでご存知であろうアレだ。
「ミシガン」!!
琵琶湖を周遊できる船、「ミシガン」である。これなら京都からでもすぐに乗れるじゃないか! 隣接府県在住ながら「ミシガン」は未体験。時は夏! いざ「ミシガン」!
……と、思ったのだが、1人で「ミシガン」に乗るってどうなんだ? 1人旅も1人焼肉も1人映画も、いわゆる「1人〇〇」は全く平気な筆者だが「1人ミシガン」って、人類史上にそんな奴いる? この辺りの逡巡は1年前の「Q-WEST編集後記」を読んでもらいたい。
未だかつて聞いたことがない「1人ミシガン」というワードから来る、思わぬ心理的ハードルの高さに、なかなか腰が重かったわけだが……そこになんと一人の勇者が名乗りを上げてくれた!! 筆者と一緒に「ミシガン」に乗ってくれるという。あざーっす!!!!
その勇者は誰あろう、大阪・西田辺にあるLIVE&CafeBAR「TAD BOX」店長の村田さんである。いつも何かとお世話になっています!(リンク先参照) 今回もマジであざーっす!!!!
というわけで村田さんとアラフォーおじさん二人で「ミシガン」に乗ってきたぞ!
琵琶湖汽船・ミシガンクルーズ
琵琶湖汽船「ミシガンクルーズ」の出発港である「大津港」は、「京阪・びわ湖浜大津駅」から徒歩3分ほど。非常にアクセス良好。筆者は「JR・大津駅」から歩いたが、それでも20分もかからなかった。
「大津港」で村田さんと合流。すでに「ミシガン」が停泊している。ワクワクさせてくれるじゃねーか! それにしても良い天気。日差しが暑い! これはまさに「ミシガン日和」と言っていいだろう(ミシガン日和なんて言葉があるのかどうかは知らん)。アラフォーおじさんの二人は、示し合わせたわけでもないのに揃ってTシャツ+短パン+サングラスである。
さっそく乗船券を購入。
ここで琵琶湖汽船の「ミシガンクルーズ」について紹介しておこう。
まず「ミシガン」とは琵琶湖汽船が運航する客船(外輪船)のこと。その「ミシガン」に乗船することができる定期クルーズ「ミシガンクルーズ」には複数のコースがある。
60分コースの「ミシガン60」、90分コースの「ミシガン90」は、いずれも大津港発着で琵琶湖の南方をクルーッとクルージング(大津港以外からの区間限定乗船も可能)。夜景+ディナー(要予約)も楽しめる「ミシガンナイト」というコースも。
その他「竹生島クルーズ」や「ぐるっとびわ湖島めぐり」という、琵琶湖の島を回ることができるクルーズメニューもある。
今回、我々は「ミシガン60」を選択。「ミシガン60」の乗船券は大人2,400円(中学生以上)、小学生1,200円だ。アラフォーおじさん二人は、1時間たっぷり船旅を楽しませてもらうぞ!!
いざミシガン乗船!
定刻となり、いざ「ミシガン」に乗船開始。平日の日中だったため、待ち時間に「僕たちの他にはそれほどお客さんはいないっすかねー」などと話していたのだが、乗り場には続々と人が! 思っていたより人気だぞ「ミシガン」!(失礼)
乗船すると、まずは全乗客が「ミシガン」内のホールに案内される。そこで船内MCの方々から各種案内、注意事項、「ミシガン」の楽しみ方などについてご教示いただく形だ。ホール前方には若いカップルがいらっしゃったのだが、船内MCによる関西特有の客いじり「どちらからいらっしゃったんですか?」に対して「名古屋です」と答えるそのカップル。実に微笑ましい。名古屋からのデートに「ミシガン」を選んだそのチョイス、大正解だぜ!(多分)
一通り船内の案内も終わり、いよいよ本格的に出航!
ここからは各自自由行動へ。晴天のこの日、早速船外甲板に出て琵琶湖クルーズを満喫したい! ……のだが、アラフォーのおじさんにはまずゲットすべきものがある。
そう! 船内の売店では、モチのロンでビールが売られているのです! しかもフライドポテトとのセットもあり! おぅ買うよなぁ、そりゃあ買うよ。飲むよ。と、ビールを手に船外の甲板に向かう。当然ソフトドリンク、その他各種軽食も用意されているので、お酒が飲めない方でもOK。
やってきました「ミシガン」甲板! 見てくれ、このまごうことなき「夏」のイメージ。サザンオールスターズかTUBEか、くらいの100%の夏。晴れわたる青空+輝く湖面+冷たいビール+念願の船上、一体これ以上何があろうか。夏として「完璧」である。パーフェクトだ。パーフェクトサントリービールだ(いや、ビールの種類は知らんけど)。おいおいー、オレたちすっかり夏しちゃってるぜぇ!!(クソダサ発言)
アラフォーおじさん二人で乾杯! くぅーっ、このビールが不味いはずがない。照りつける暑い日差しを体内からキンキンに冷やしてくれる。もうすでに満足した感さえある。
ちなみに上記の写真は筆者による自撮りなのだが、この写真を撮る前に、同乗のおば……お姉さまに「すみません、写真撮っていただけないでしょうか……?」とお願いしてみたところ一瞬で断られたので、こうなった次第である。そりゃあTシャツ+短パン+サングラス(片方は金髪)のアラフォーおじさんが「写真撮ってくれ」って言ってきたら即、断るわな。お楽しみ中にお声がけしてスミマセンでした。
見よ、これが「こめキラ」だ!
船内ホールでは様々な催し物も行われているのだが、せっかくなので我々は甲板を探索。「ミシガン」船内には色々とフォトスポットが設けられている。
こんなんだったり。
あと、船に乗ったら絶対にこれはやっとかないとダメですよね。タイタニーーーーーック!!(おじさん二人なのでローズはいない)
そんな感じで「ミシガン」の甲板で小学生のように楽しんでいた我々だったのだが、そこに聞こえてきたのが船内からのアナウンス。
「琵琶湖に太陽の光が反射して湖面がキラキラと輝く様子を『こめキラ』と呼ぶんですよ!」
「こめキラ」!? 初めて聞くワードだ。確かにこの日は天気も良く、琵琶湖の湖面がキラキラと輝いて見える。
これが「こめキラ」……。決して「ガタメキラ(太陽とシスコムーン)」じゃない、「こめキラ」……。夏の記憶にグッと入り込んでくる美しい光景。TAD BOX村田さんのおかげで、筆者はこうして「こめキラ」を拝むことができたわけだ。この煌めきに感謝。
あっ、ところでね、まぁ別にね、アレなんですけども、帰宅後に「こめキラ」というワードでネット検索してみたところ……ほぼ「琵琶湖汽船公式Xアカウント」くらいしかこの言葉を使用しておらず……一般的にはほとんど浸透していないようで……「こめキラ」……(嘘だと思ったら試しに検索してほしい)。
おい、どうしたどうした「ミシガン」乗船民! 使っていこうぜ「こめキラ」! 筆者は「こめキラ」を体感できて良かったよ! 今後の人生で「こめキラ」って言葉を発することがあるかは知らんけどもな!(多分無さそうな気はする)
ミシガンクルーズ終了
こうして60分の「ミシガンクルーズ」はあっという間に終了し、大津港へ帰港。
わずか1時間とは思えない程の充実のクルーズであった。積年の「船乗りたい願望」ここに成就せり。大満足。
涼しい船内ホールでは音楽ショーなどのイベントも盛りだくさんだし、もちろん屋外の甲板で「こめキラ(頼む、流行ってくれ)」を存分に満喫するのも良し。「ミシガン」は大きな船なので、船酔いの心配もそれほど無いと思う。あと心配していた「1人ミシガン」も別に大丈夫なんじゃないだろうか。船上から湖面を眺めていたら、それだけで心が満たされるだろう。
関西各地からのアクセスも良好な「ミシガンクルーズ」。今年の夏休みの体験の一つにいかがだろうか。キッズはもちろん、大人でも十分に楽しめるぞ! この記事を読んでくださった皆さん、ぜひ「こめキラ(今のところ流行っていない)」をバズらせようじゃないか!
今回「ミシガンクルーズ」にご同行いただいたTAD BOX村田さん、改めてありがとうございました。
ご同行いただいた村田さんが店長を務める大阪・西田辺のLIVE&CafeBAR「TAD BOX」では、毎月第2木曜日に開催のオープンマイクイベント「カクテル」他、様々なライブ、イベントが開催されているので、そちらも要チェック!
TAD BOX公式X(旧Twitter)アカウントはこちら。
▲ミシガンの外輪