海外で数々の賞賛を受け日本でもすでに異例の大ヒット中! 太田信吾監督・映画『沼影市民プール』が2026年9月19日(土)からいよいよ関西でも公開スタート! 【大阪・第七藝術劇場/京都・アップリンク京都】|Q-WEST(クウェスト)・関西カルチャー探求WEBメディア

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海外で数々の賞賛を受け日本でもすでに異例の大ヒット中! 太田信吾監督・映画『沼影市民プール』が2026年9月19日(土)からいよいよ関西でも公開スタート! 【大阪・第七藝術劇場/京都・アップリンク京都】

カテゴリー : 関西/大阪/京都/映画/お知らせ

2026. 09. 19 Sat

(c) hydroblast

多くの関西の人間にとって「埼玉」という場所は、あまり馴染みのない土地かもしれない。仕事等で東京に行くことはあっても、なかなか訪れることのない埼玉。今、その埼玉にあった“とあるプール”を題材にした、ドキュメンタリー映画が大きな反響を呼んでいるという。
タイトルは『沼影市民プール』。かつて埼玉県さいたま市で営業していた同名の市民プールについて描いた本作は、制作段階においてカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2024にて日本企画としては初となる「First Cut+ Works in Progress Award」を受賞。その後も釜山国際映画祭、テッサロニキ国際ドキュメンタリー映画祭、台北国際映画祭をはじめ12以上の国際映画祭で上映されている。日本では9月5日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。本作の舞台、沼影市民プール跡地に近いユナイテッド・シネマ浦和では、初日から5日間連続で満席の回が出る盛況ぶりで、異例の大ヒットとなっている。
そんな話題作が、いよいよ2026年9月19日(土)から関西でも公開スタート!

『沼影市民プール』は“とあるプールが息を引き取るまでの、49日間の記録。”

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沼影市民プールは前述の通り、埼玉県さいたま市に存在した市民プール。1971年に「海なき市にプールを」という市民の願いから誕生し、52年の長きに渡って地元の人々に愛されてきた存在だ。そう、お察しの通り、この沼影市民プールは2024年にすでに閉業。同プールが営業を終えるまでの49日間を記録したのが、本作『沼影市民プール』である。

1971年の開業以来、市民の憩いと健康を支える場として、52年間で約600万人が訪れたという沼影市民プール。
同プールは、地域住民にとって単なる公共施設ではなく、子どもたちの遊び場であり、高齢者の健康づくりの場であり、そして時には名前のない出会いや関係性が生まれる場所として親しまれた。夏になると県内外から多くの性的マイノリティの男性が集まり、公共空間のなかで独自のコミュニティが形成されていたとも言われる。単なる「プール」としての役割に止まらず、多様な人々の居場所、拠り所として機能してきたのだ。
ところが2022年、さいたま市は屋外プールを解体し、その跡地に小中一貫の「武蔵浦和学園義務教育学校(仮称)」を建設する計画を発表。存続を求める1万人以上の署名や多数のパブリックコメントが寄せられたものの計画は進められ、2024年にプールはその歴史に幕を下ろすこととなった。

こうした「地域で愛された公共施設」「みんなの居場所」が、昨今の土地開発の事情で突然無くなるという状況は、埼玉に限らず日本全国、いや世界各地のどこでも起きてきたことだろう。大事な場所を失うことは、痛みを伴う。“市民プールの最後”を看取ったとも言える本作『沼影市民プール』は、そのような誰しもが味わうであろう「喪失体験」について、深く問い直す作品でもある。

監督 太田信吾(おおた・しんご)

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『沼影市民プール』監督・太田信吾プロフィール

長野県出身。早稲田大学在学中に哲学・物語論を専攻。友人の自死と向き合い制作した初長編ドキュメンタリー映画『わたしたちに許された特別な時間の終わり』が山形国際ドキュメンタリー映画祭2013 で公開後、世界12カ国で公開されるなど国内外で反響を呼んだ。『解放区』(2014)では、再開発に揺れる大阪は西成区・釜ヶ崎に漂着する若者をリアリティ溢れる描写で表現した。映画と舞台を横断して活動をしており、演出・出演を手がけたドキュメンタリーとパフォーマンスのハイブリッドな舞台作品『最後の芸者たち』(リクリエーション版)は2024年11月に欧州最大級の芸術祭フェスティバル・ドートンヌで上演された。近年の主な出演作に舞台作品『未練の幽霊と怪物』(神奈川芸術劇場プロデュース 作・演出:岡田利規)、『わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド』(さいたま芸術劇場プロデュース 作・演出:岡田利規) のほか、ドラマ『夢を与える』(WOWOW)、『東京怪奇酒』(テレビ東京)などがある。

▼監督ステートメント

旅の多い日々を過ごしてきました。久しぶりに自分の暮らす街へ戻るたび、かつて自分の居場所だった横丁や、通い慣れた飲食店が静かに姿を消している――そんな場面に立ち会うその度に、心にぽっかりと空洞ができたような感覚を抱いてきました。
やがて建物や風景は単なる「器」ではなく、わたしたちの精神性や記憶に深く影響を与えているのではないか、と感じるようになりました。
私はデビュー作『わたしたちに許された特別な時間の終わり』​(2013年)を通して、愛する人を突然失うこと、そして死を受容していくことが、どれほど長い時間を要するプロセスなのかを見つめてきました。そして『沼影市民プール』を制作するなかで、人は「場所」を失うときにも、それに近い感情を抱くのだということに気づかされました。
この映画に登場する人々にとって、沼影市民プールは単なる公共施設ではありませんでした。​健康増進、レジャーの場として機能していたのはもちろん、子ども時代の記憶が宿り、誰かと出会い、孤独を紛らわせ、ときに生き延びるための支えにもなっていた場所でした。だからこそ、その喪失は単なる都市開発の問題ではなく、人々の心の問題として存在していたのだと思います。
しかし、多くの都市開発は、建物や効率、経済合理性については語れても、「そこにいた人々の記憶や感情をどう受け止めるのか」という視点には、十分に向き合えていないようにも感じています。わたしはこの映画を通して、失われていく場所の記録だけではなく、その場所を失った人々の心の揺れや、喪失を受け入れていくまでの​プロセスそのものを描き​、都市開発のプロセスを問い直したいと考え​本作の制作に挑みました。
アルゴリズムによって「見たいものだけ」を見るように加速していく現代社会のなかで、私たちは異なる他者の記憶や感情に触れる機会を少しずつ失っているのかもしれません。​けれども映画には、すでに失われてしまった風景を、もう一度誰かの記憶の中に立ち上がらせる力があると信じています。
沼影市民プールは、もう存在しません。しかしこの映画を通して、​みなさまそれぞれの心の中にある「帰る場所」や「失われた風景」が、静かに浮かび上がってくれたなら嬉しく思います。
最後に、決して行政の立場からすれば、本作が持つ批評性は、必ずしも心地よいものばかりではなかっただろうと想像しています。それにもかかわらず、さいたま市には、プールを含む市内各施設の撮影許可のみならず、一部制作資金の提供、さらには制作段階における芸術祭でのワーク・イン・プログレスの機会に至るまで、多大なご支援をいただきました。心より感謝申し上げます。
批評性や対話の余地を排除した「地域アート」や、消費されやすさを追求した一面的なPR動画が溢れる時代のなかで、行政と作り手が緊張感を保ちながらも、一つの土地の光と影の両方に向き合い、作品を成立させるために伴走したこのプロセス自体が、これからの公共文化のあり方に対する、ひとつの希望や金字塔になり得るのではないかと​いま改めて感じています。

『沼影市民プール』上映情報

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『沼影市民プール』は関西では2026年9月19日(土)から、下記劇場にて公開。

【大阪】第七藝術劇場
(〒532-0024 大阪府大阪市淀川区十三本町1丁目7−27 6階)
【京都】アップリンク京都
(〒604-8172 京都府京都市中京区場之町586−2 地下1階)

その他、全国で順次公開なので、詳しくは公式WEBサイト及び公式SNSをチェック!

【公式WEBサイト】http://numakage-film.com
【公式X】https://x.com/numakage_film
【公式Instagram】numakagepool_film

埼玉の話でありながら、あらゆる場所で誰しもに訪れる「喪失」の瞬間。その時、あなたはどのような感情を抱くだろうか。ぜひ劇場で確認してほしい。

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