食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋……皆さんはどんな「秋」をお過ごしだろうか? 様々な楽しみがあるこの季節だが、忘れてならないのが「芸術の秋」。というわけで、この秋、京都で開催される展覧会をご紹介したい。キュートで親しみやすい作品の数々が並ぶので、普段アートに馴染みがない方にもオススメだ。
牧田純 個展『みんな生きてる』

▲夏のおもいで 2026 acrylic on canvas 1167×910mm ©2026 Jun Makita Al Rights Reserved.
2026年10月9日(金)から、京都・岡崎にある「GALLERY METABO(ギャラリーメタボ)」にて開催されるのが、アーティスト・牧田純による個展『みんな生きてる』だ。
牧田純は、1980年、新潟県上越市に生まれ、大阪で育ったアーティスト。雪国と都市という対照的な環境で過ごした幼少期の経験が、その後の制作に大きな影響を与えている。日本の正規の美術教育を一切受けることなく制作を始め、19歳で上京後、村上隆主催の「GEISAI」への参加を経て、2005年に竹崎和征主宰のTake Floorにて初個展を開催。その後、音楽活動も並行しながら、会社員として生活する時期を経て、現在は画家として制作を続けている。2020年、パンデミックの最中に曽我部恵一がオーナーを務めるPINK MOON RECORDSにて個展『HELLO FRIENDS』を開催。親しみのあるタッチで描かれる作品群は国内外で注目を集め、香港、台湾、アメリカなど海外でも収蔵されている。
2026年7月には、吉本ばななの著書『短いこの人生でいちばん大事なもの』(幻冬舎)の装画を担当し、その表現は絵画にとどまらず、出版など他分野へも広がりを見せている。
子どもの絵、アウトサイダー・アートなど、既存の美術の枠を越える表現を独自の視点で取り込み、愛嬌を漂わせたモチーフと荒々しさを残した筆致で、夢に出てきそうな温かい生き物を描く、牧田純。昨年、制作拠点を京都へ移し、自然に囲まれた新たな環境で制作を続ける中で「生きること」そのものへの眼差しがより深まり深まったという。そして今回、本展『みんな生きてる』の開催となる。
本展では新作絵画15点に加え、自身初となる木彫作品も発表。アートへの見識が深くなくとも、その愛らしく、どこかポップさ感じさせる牧田純の作品には、きっと心を掴まれることだろう。
アーティスト・牧田純

▲左・夜にひかる 2026 acrylic on canvas 803×652mm ©2026 Jun Makita Al Rights Reserved./中・夜遊び 2026 acrylic on canvas 803×652mm ©2026 Jun Makita Al Rights Reserved./右・家族 2026 acrylic on canvas 410×380mm ©2026 Jun Makita Al Rights Reserved.
【牧田純 プロフィール】
1980年 新潟県生まれ大阪府育ち。東京を経て京都在住。
高校卒業後、独学で絵を描き始める。動植物や人物をモチーフに絵画を制作。作品は国内外の個人コレクションに収蔵。音楽、文学、ファッションなどの分野でも活躍の場を広げている。
村上隆主宰GEISAIにて曽我部恵一賞、日比野克彦賞を受賞。
今回の個展『みんな生きてる』開催にあたっての本人のステートメントは下記の通り。
“人間はずいぶんと不自由になりました。
かつて人は星を読み、動植物と心を交わしていました。しかし現代に生きる私たちは、それを少しずつ忘れてしまいました。そんな時代に生きながら、私は絵を描いていると一瞬だけ自由になれる気がします。そして何度も色を重ねていく中で現れるのは、心の内側に寄り添う存在です。その存在に名前はなくて、寂しそうだったり、嬉しそうだったり、楽しそうだったりしていますが、重ねすぎると死んでしまいます。つまり完璧になると寄り添う存在ではなくなってしまうのです。それは大人に理解できなくても、子どもにとっては糸がほつれたぬいぐるみが永遠の友達であるように、私は筆跡やにじみを残し、作品に生命を与えています。
絵画だけではなく、日常の中から発見やアイデアを見つける事が多く、木彫作品は妻へプレゼントをした事をきっかけに制作を始めました。ホームセンターで手に入る木材や、歪んで使えなくなったキャンバスの木枠を素材に、ノミ一つで即興的に制作することを条件にしました。あえて正しい彫り方をリサーチする事なく始めたおかげで、迷いなく制作できて、荒々しくも生命感が宿った作品に仕上がったかなーと思います。
最後に、個展タイトルの「みんな生きてる」は、飼ってる猫に噛まれて血だらけになり、熱が出て寝込んでいた時に思いつきました。体調を崩して、改めて生きてるという実感が湧いたんです。色々騒がしい世界だけど、みんな生きてることを実感して許し合えたらいいなと思います。”
【HP】https://junmakita.com
【Instagram】@jun.makita
10月9日(金)にはオープニングレセプションでスペシャルLIVEも
本展開催初日である2026年10月9日(金)には、オープニングレセプションも開催。ミュージシャン・三輪二郎によるスペシャルLIVEも予定されている。入場無料となっているので、ぜひこちらもチェックしてほしい。
【オープニングレセプション】
2026年10月9日(金)18:00〜20:00
会期情報
牧田純 個展『みんな生きてる』
【会期】2026年10月9日(金)〜10月17日(土)11:00〜19:00
【料金】入場無料
【会場】GALLERY METABO(京都府京都市左京区聖護院山王町18 メタボ岡崎106 102&103号室)
【会場HP】https://www.gallery-metabo.com
徐々に気温も涼やかになるこの季節だが、牧田純の温かい世界観に触れてみてはいかがだろうか?





