スラッシュパイル寄席【小豆のお笑い豆噺:5】|Q-WEST(クウェスト)・関西カルチャー探求WEBメディア

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スラッシュパイル寄席【小豆のお笑い豆噺:5】

2021. 10. 05 Tue

2021年9月30日、東京赤坂 草月ホールにて「スラッシュパイル寄席」というイベントが開催された。

出演者は、アルコ&ピース、蛙亭、三四郎、真空ジェシカ、ゾフィー、ダウ90000、ナイツ、ななまがり、和牛、そしてMCとネタ出演として東京03。個人的にも好きしかいない顔ぶれに興奮し、配信を即ポチしたこのイベントについて個人の感想を書きましたので宜しければお付き合いください。
(以下出演順)

真空ジェシカ

すっかり注目株となっている人力舎の若手ホープ(かもしれない)。名前とビジュアルを目にする機会が多く、漫才もしっかりしていて面白かった。彼らはまだまだ奥深そうなのでこれから出てくることが楽しみです。気になる方はその一発で覚えられるビジュアルを是非検索してほしい。

ゾフィー

サイトウさん自宅謹慎か何かか?と思った位ツッコミのサイトウが出てこないコント(笑)。ボケの上田1人の喋りで笑ってしまうのだが、コンビとしては破格のネタなんじゃないだろうか。とにかく熱演する上田と時折入るサイトウの声に笑ってしまった。

ななまがり

ななまがりもビジュアルにインパクトがありお笑い好きのコアなファンが多そうなイメージである。この日は技術の高いコントを披露し会場の拍手喝采を浴びていた。東京03がネタを見ているという気合いからか勢いが凄かったが、流れるような展開にその拍手も納得のものだった。

ダウ90000

東京03注目とのことで、ハードル爆上がりになった男女混合大人数グループ。劇団というよりかは本人達は8人組のお笑い集団といったところらしい。台詞の行き交うスピード感があるが聞き取りやすく、テンポの良さで笑いを誘導する。まだ学生のメンバーも居るという若さが目立っているが今後を見守ってみたいグループだ。

三四郎

第一回目の豆噺で語っているように私は三四郎のファンなのだが、私のようなファンには最近お馴染みなネタ。ネタを全面的に作っている小宮の言葉の転がし方は三四郎の漫才の醍醐味たるものだ。巧みなワードセンスを発揮しまくっているのに、終わり方が小学生みたいなオチで「終わりまーす」となるのが拍子抜けでまた愛しくもなる(笑)。

和牛

一時期ネタを覚えてしまうほど何度も見ていた位、私は和牛の漫才のファンである。東京03も「もはや大ベテラン」言っていたが、本当に上手い。この日のネタに関しては「ネタバレ禁止」と謳う映画のように、後半のまくし立てが凄い。水田が「性格が細かく潔癖症」という、よくありそうな入りだが是非最後まで見ていただきたい。

蛙亭

今一番ホットな話題で言えば先日開催されたキングオブコントでの活躍もめざましい「吉本の最終兵器」(自称)こと蛙亭。狂気に満ちているネタもあるが、可愛さで和やかなネタもありそのコントの世界観にたまらなくハマる人はハマる。「なんだかわからないけどただひたすら笑っちゃう」その幸せさを蛙亭はくれる。

アルコ&ピース

さすがコントゴーレムこと老舗コント師といったところである。「なんだか面倒臭い嫌な奴」を演じる平子を見るとむずむずしつつ笑わずにはいられない。一種の才能を思う存分発揮してるなと思う。

ナイツ

ナイツも安定の漫才師だがそれにあぐらをかくことなく既存のネタを更に肉付けしていく様は、進化を止めない凄さを感じる。時事ネタを作る大変さもあるんだなと思いながらもいつも面白いと思わせてくれて凄い。

東京03

言わずもがなの実力派。演技力とキャラクターの愛嬌で見るものを引き込んでどんどんどんどん上昇していくようなストーリーは唯一無二のコントだ。何とも笑っちゃう格好良い大人達である。

このイベントの一番の見どころは、各出演者がネタ終わりにMCの東京03と対談するところだと思う。落ち着いた語り口で感想を述べる東京03と、普段あまり絡みの見られない出演者達との貴重な会話が見れるのがとても良い。
営業先で一緒になる飯塚が三四郎 相田の不思議な狂気が怖くて仕方がないと怯えている話が面白かった。
また、ナイツとの会話の中では「例の審査員の件ね~(まだ発表されてないキングオブコントの審査員)」と振られる飯塚が笑って誤魔化しながら「俺は角ちゃんだと思うんだけどね~」と角田に振って、角田が「俺は豊本っちゃんだと思うんだけど~」と豊本に振ると「え~マジで~?」と満更でもない様子の豊本が「お前はねぇよ」と飯塚に一喝される場面は今見返すとにやついてしまう。
この3人の仲良しさならではの醸し出す魅力的な雰囲気、そして文句の言わせない圧倒的な笑いの力。やっぱり東京03ってすげぇや。

そしてこうした所属事務所の垣根を越えて芸人を一緒に見れるイベントはお得で楽しいなぁとつくづく思うのでした。ありがとうスラッシュパイル。

※ なおこの「スラッシュパイル寄席」は10月7日までアーカイブ配信で視聴可能。

イラスト+文:小豆
Twitter:@Kmame
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