さぁ、今年度最終日。
皆さま年度締めは無事に終わっただろうか?
私は終わっていない。
というか、途切れ目がない。
ひとつが終わっても道は途切れないから、延々と走り続ける。
もちろん、現実的な事務作業なんかはあるのだけれど。それが一番頭が痛い案件だったりする……。
どうも皆様こんにちは、またはこんばんは。
そしておはようございます。
シンガーソングライターのアキラです。
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さてさて、唐突な話ではあるが、私は常々「休みなどいらぬ!」と思っている。予定もタスクも常にパンパンでいたいし、締切に追われたいと思っている。なぜか。
答えは単純。
変に休みがあるほうが不安になってしまうからである。
売れているわけでもない。結果を出しているわけでもない。そんな私が休みを謳歌しようもんなら、それはもうただのサボりなのではないか?と思ってしまうのである。
体調管理は大事だし、なにかしら余裕をもっておかないと対応できない案件があったりするのも重々承知してはいるのだけれど、私の場合は「余白の時間」があればあるほど、結果として自分を無駄に非効率に追い込んでしまう。そうなると、なんだか本末転倒であり逆効果な気がする。
ならばいっそ初めから全てのタスクスケジュールを組んでしまい、その後にくるお誘いは申し訳ないがお断りする、の方が効率が良いような気がするのだ。
実際、どちらが正解かはなかなか難しい問題なのだけれど……。
もちろんその結果として、自分でもビックリするくらいタスクが火を吹く時もある。
うん、2ヶ月に1回はある。
しかし、その都度乗り越えてきた今だからこそ、それは確実に身になり経験になり、自分自身の成長に繋がっていくのだと思う。
会社員時代。私はなんでもかんでも情報を一枚物にまとめるのが好きだった。「報告書」とか「計画書」とか、「管理表」とか「〇〇一覧」とか、延々とパソコンに残すことを癖付けていた。それはもう時間がかかったし、自宅でもバリバリに仕事と向き合う時間が多かったわけだが、その結果、今でもその癖は継続していて、自分のライブ計画なんかがスタッフと共有しやすくなった。
経験が身になる、って、たぶんそういうこと。
積み重ねは大事。
だから、常に自分自身を追い込んでいきたい。
ではでは、そんなこんなで今回は、私が人生で初めて【レコーディング】をした時の話。
経験て大事。
さて、ユニット活動をしていた高校生時代、無事初ライブを終えた私達は少しずつ活動の輪を広げていた。するといろんな出会いがあるもので、ミュージシャンの知り合いも徐々に増えてくる。しかしそこでひとつ疑問が浮かんだ。
皆、どうやって物販を作っているんだろう…。
そう、物販。グッズやCDのことである。その当時はまだまだ「デモMD」を売っている人もいたが、時代は自作CDに移行しつつあった。
個人的な意見ではあるが、ストリートライブをするにしてもイベントに出るにしても、物販があるかどうかでやはり見映えも違えば、活動の質も違うように見える。「そう見える」というだけかもしれないが、単純に「印象に残りやすい」のではないだろうか。今の時代は当たり前かもしれないけれど、駆け出しミュージシャンにとってはやはり重要なアイテムである。
スマホが当たり前の今となっては、「スマホカメラで動画保存→アプリで音声ファイルに変換→パソコンでCDに」が一番手っ取り早い。音質はともかく、とりあえずCDの形にするだけなら特別な知識なくできる時代になった。
しかし、私たちの高校生時代はまだまだガラケーである。ギリギリ全員がカメラ付き携帯電話を持っているような、やっと二つ折りでパカパカできるようになった時代だし、私が使っていた「ボーダフォン」のガラケーなんて、ゲームといえば初期から内蔵されていたタロット占いくらいのものだった。
そんな時代にCDなんてどうやって作るのか。なんならCDなんて贅沢は言わず、「音源」とはどうやって用意するのか。私と相方は調べに調べた。
まず初めに手をつけたのは、カセットテープである。
断っておくが、これは私たちの時代でもか〜なり時代遅れな部類だ。しかし、
「カセットデッキは安価」
「使い方もわかりやすく簡単」
「なんでもいいから早くかっこつけたい」
という気持ちから、二人でお金を出し合ってカセットデッキを購入した。
さて、いよいよレコーディングである。
昼間の公園で、静かなタイミングを見計らって再生と録音のボタンを同時に押す、という神をも恐れぬ高難度の計画が始まった。
これはもう、完全にレコーディングである。ベビーカーを押す奥様や杖をついたおじいちゃんがふがふがと横を通って行ったとしても、誰がなんと言おうとレコーディングである。
あるったらあるのである。
使用したカセットテープは、60分のものだったと思う。当時はたしか五曲くらい録った。人が通らない時間を選んで録音する。しかし、日中の公園など人払いできるわけがない。そのうち
「雑踏の音とか、なんかおしゃれやん?」
というスーパーポジティブ変換で、ある種のエフェクトとして取り込むことにした。簡単に言うと、早々に諦めたのである。
そうこうしているうちにレコーディングは終了。私たちはとても満足だった。
実際は公園のベンチに小さなカセットデッキを置いて、神妙な面持ちで歌う少年二人組である。
なんとも健気。
さて、今の時代はすでに知らない人もいるかもしれないが、カセットテープにはA面とB面がある。つまり、裏返すと二倍録音できるのだ。しかし当時の私たちにそんな曲数はない。私たちは悩んだ結果、
「そうだ!ボーナストラックだ!」
と思いついた。
ボーナストラック。CDを聞いたのちしばし無音があったり、歌詞カードに乗っていない次のトラックがあったりして、そこにアーティストの歌や雑談やとにかくファンが
「あら、お得!」
と思えるものを録音するあれである。我ながらなんてオシャレなことを思い付くのか、と得意気であった。
私たち二人はさっそく録音ボタンを押した。
…ん?で?なにするの?
そう。この時私たちは、それはもう全然まったくなぁんにも考えていなかったのである。
今この瞬間も録音している。
いや、録音されている。
どうしたものか。
悩んだがなにも浮かばず、いそいそと片付けをしながら雑談をすることにした。
結果、内容なんてなにもない、ほんとにただの雑談が延々と30分ほど録音されたテープが出来上がった。
誰が聞くのか、と。
しかし当時の二人は「お得感満載!!」と満足であった。幸せいっぱいな二人である。
結論を言うと、そのテープ自体は物販に並べられることはなく、友達の間で回し聞きされただけのものであった。
しばらくして、CDの作成に入るが、それはまた別のお話。
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文:アキラ(大阪を拠点に活動中のシンガーソングライター。最新情報は下記SNSをチェック!)
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