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私の名前は「あきら」
「朗らか」と書いてあきらと読む。
別に隠すことでもないのでハッキリ言うが、間違いなく本名である。
「名は体を表す」とはよく言ったもので、表面上を見ればこんなにもピッタリな名付けはないだろう。自分で言うことでもないかもしれないが、そう思える程にはこの名前を気に入っている。
ところで、最近なんだかよく同じ名前を目にする気がする。
テレビで。
ネットで。
漫画で。
小説で。
つい先日も別のあきらさんとライブイベントをご一緒したところである。
世の中には、様々なあきらさんがいる。
大御所タレントのCMなんかに出ている「あきら」
綺羅びやかなアイドルとして活躍する「あきら」
漫画の中をバイクで駆け回る「あきら」
人間性がクズでも大人気作家の「あきら」
学者先生として有名な「あきら」
男性も女性もいるありふれた名前だから、調べればいくらでも出てくるのだけど。
様々な肩書がある中で、ふと思う。
私は、なんだろう?と。
今はまだ何者でもなく、「その他のあきら」でしかない私。背負いたい看板はいくつもあるけれど、それがなかなか実現せずに苦悩する私。「あきら」という区分でカテゴライズするなら、私はきっと端の端の端の端の端の方にいるんだろう。なんだかそんなことを考えてしまう。
情報が容易に可視化できる世の中だからこそ、各自の掲げる看板ばかりに目を向けがちである。
しかし、
思い返せば、どれも間違いなく私。
例えばそれが、立派な看板じゃなかったとしても。
端の端の端の端の端の存在だとしても。
逃げずに戦うのも。
逃げてしまった時も。
勝利に酔いしれた日も。
敗北に泣き崩れた日も。
大層な肩書はなくても、世界中に1人だけの私。
自分ってなんだろう?という漠然としたモラトリアムのような不安の中にいたとしても、そう想えるなにかが、自分が自分であると認識できる確固たる自信が、日常の小さな気付きの中にあるのではないかと思う。
だからきっと、あなたもそう。誰だってそう。
世界中にたったひとつだけの、あなただけの物語を生きていく。
それでいい。それがいい。それだけでいい。
どこかの誰かでも、「沢山の人」という括りの中でもなく、あなたに聞いてほしい歌がある。
だから私は、全力で唄う。
私の名前は、アキラです。
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文:アキラ(大阪を拠点に活動中のシンガーソングライター。最新情報は下記SNSをチェック!)
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