さて「芸術」と言えば「秋」だが、初夏のこの時期、気温も上がってきて汗ばむ日々に、涼しいギャラリーで過ごすというのはいかがだろうか?
そこで大阪・南堀江にある「TEZUKAYAMA GALLERY」で5月17日(金)から開催される、2名のアーティストの個展をご紹介したい。共に「1981年生まれ」のアーティストが大阪の同じ会場、同じ会期で個展を開催するぞ!
鈴木雅明 個展「Follow the Reflections」

鈴木雅明(すずき まさあき)は1981年に愛知県で生まれ、現在も愛知を拠点に制作活動を続けているアーティスト。都市や郊外の「夜景」を描いたシリーズをはじめ、暗室で限られた光源に照らされた机上の針金や球体などの静物を描いた「机上の光」シリーズを制作している。鈴木雅明が描く光は一貫して「人工の光」。「人工の光」を軸に、光がもたらす情景やノスタルジーな感情を描き出す。
今回の個展「Follow the Reflections」では、過去から現在まで、都市や郊外の街並みを照らし続ける「人工の光」の中に、未来の光景を重ね見るかのような、鑑賞者自身の記憶や体験といった心象風景を立ち上がらせる作品群が展示される。モチーフとなる人工物と相反するかのような温かな作品を、実際に感じてみよう。

▲センサーライト / sensor light 2004 | oil on canvas H1455 × W1120 mm

▲afterimage of the night 2024 | oil on canvas H1818 × W2273 mm
鈴木雅明 個展「Follow the Reflections」
会期:2024年5月17日(金)〜6月15日(土)
加藤智大 個展「“binary”」

加藤智大(かとう ともひろ)は1981年・東京生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科修士課程を修了後、金属加工会社で腕を磨きながら作家としての活動を行う異色のアーティスト。2013年には第16回岡本太郎現代芸術賞展にて発表した「鉄茶室轍亭(2012年制作)」が岡本太郎賞を受賞した。「鉄」という素材を用い「社会の境界線」を探るような作品群が特徴的。
これまでの作品(anonymous series)では全身・半身像、兵器などのモチーフが中心であったが、今回の個展ではよりスケールの大きな立体作品が登場。「巨大なスケールであるが故、近づくほどにその正体は曖昧模糊な物体、鉄輪の積み重ねであることを強く認識させられる」という今回の個展。加藤氏の新たな局面を目撃しよう。

▲anonymous weapon #2 2017 iron H260 × W840 × D85 mm

▲iron-oxide painting “N.F./D****32” 2022 iron-oxide, graphite, acrylic, paper, canvas H1000 × W803 × D50 mm
加藤智大 個展「“binary”」
会期:2024年5月17日(金)〜6月15日(土)
会場情報
TEZUKAYAMA GALLERY
【住所】大阪府大阪市西区南堀江1–19–27 山崎ビル2F
【開館時間】12:00〜19:00
【休館日】日曜日・月曜日・祝日
【入館料】無料