中学二年生の頃から音楽活動をしていたわけだが、環境や生活リズムの変化に伴い、22~3歳くらいで音楽から離れるようになった。
今回は、そんな音楽から離れている間と、それまでのお話。
どうも皆様おはようございます。
またはこんにちは、こんばんは。
シンガーソングライターのアキラです。
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中学校の頃、よさこいを躍りながら地域の祭りや高齢者施設、児童施設なんかをボランティアでまわる活動をしていた。
もともと超絶ネガティブマンな私は、
「皆が喜んでくれると、自分が認めてもらえたみたいで嬉しい」
という感情ひとつを動力に、求められるならどこへでも行きまっせな精神でステージに立っていた。
そんな生活をしていたから、中学校三年になり進路を決める頃には、もう悩むまでもなく自分の道に確信を持っていた。
「福祉の道に進もう」
音楽やボランティア活動を通じて、
「頭が悪くても、男前じゃなくても、人に喜んでもらうことはできる!」
と実感した私は、迷わず福祉の道に進んだ。
その気持ちは、今でも私の活動理念のひとつになっている。
そうしてすぐに進路を決め国家試験にも無事合格し、私は高齢者施設で介護福祉士として働き出した。ここから約12年間、同じ施設で介護士をすることになる。
さて、ここから介護のお話。
まず、介護ってなんだ?と。
よし、グーグル先生に聞いてみよう。
Wikipediaで調べてみたら、
「介護(かいご、英: nursing, elderly care)とは、障がい者の生活支援をすること。あるいは高齢者・病人などを介抱し世話をすること。」
なんだそうだ。
障がいや老化でできにくくなったことをお手伝いする仕事。
買い物をする。食事を作り、食べる。トイレに行く。お風呂に入る。着替える。ベッドに横になる。
介護とは、人が生活を送るうえで絶対に切り離すことのできない根底の部分の問題に寄り添い、思いを傾聴し、できにくいことに少しだけ手を貸して、心の底からの「ありがとう」を聞くことができる仕事である。
手を抜こう。楽をしようと思えば、それこそいくらでも楽ができる仕事だ。
着替えもしない。入浴もベッド上での清拭で済ます。食事も胃ろうや点滴。一番吸収量の多いオムツをつけてトイレにも行かない。そんな人間らしい生活なんて到底呼べない介護をしたとしても、そう簡単に人は死なない。
だからこそ。
楽ができる仕事だからこそ、
「自分はこの人になにができるのか。なにをすればこの人の為になるのか」
を捨て身で真剣に考えることができる人じゃないと続かない仕事だと思う。
給料が安かろうが、汚かろうが臭かろうが、それでもこの仕事が楽しいと思える人。
「寝たきりの人が自分たちの関わりでトイレに行けるようになった!」
とかそんなことに楽しみを見出だせる人なら、素晴らしいやり甲斐を見つけられる最高の仕事なんではなかろうか。
………と、まぁそんな気持ちで介護士時代を過ごしたわけだが、
なにが言いたいかと言うと、
私の中では介護士も「エンターティナー」であったわけだ。
考えてみてほしい。
あなたが「日常生活」を思い浮かべる時、食事、排泄、入浴、睡眠の基本的な欲求しか浮かばないだろうか?
そうではないはず。
休みの日には映画を見たりライブを見たり、遊園地に行ったりするのではないだろうか?
それも、「人間らしい営み」の一つだと私は思う。
ならば、自力で出掛けることができない人たちはどうすればいいか?
その問題を解決するのも、介護士の仕事だと、私はずっと考えてきた。
もちろん賛否両論あるだろう。
しかし、その理念で取り組んだ施設内行事やレクリエーションで喜んで下さった利用者様の笑顔は、今でも私の支えの一つになっている。
ステージの在り方は一つではない。
結局のところ、心の在り方一つである。
自分が意識するなら、どこだってステージで、いつだって自己表現の場になり得るのだ。
最後に一つ。
介護士時代、ケア担当の利用者様に言われたことがある。
そのお爺さんは、すぐに怒るし怒鳴るし、皆関わり方に困っていた。
しかし、私がまだ若かったこともあり、私のことは孫のように可愛がってくれた。
ある日、二人っきりで話をしていた時のこと。
「ワシな、すぐイライラすんねん。
小さいとこやけど社長として頑張って、さぁ定年やからやりたいことやろう!って思ったら脳梗塞やで。
トイレも行かれへん。身体動かんやん。
せっかく頑張ってきたのに、ゴルフもできんしカラオケも行かれへんやん。
そらイライラするよ。
皆には悪いなぁと思うけど。
だからな、人生なにがあるかわからんのやから、今しかないんやで。やりたいことやり。
今しかないねん。」
その話を聞いて、私は泣いた。
お爺さんも泣いていた。
今でも思い返しては、頑張ろう、って。
胸張って報告できるようにしよう、って。
そう心がけている。
皆様の温かい言葉と応援が、今の私を作っている。
それでもなお、諦めきれないから、今は音楽の道を歩き出したわけだけれど。
やっぱり私はこの仕事が好きだったんだなぁ。
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文:アキラ(大阪を拠点に活動中のシンガーソングライター。最新情報は下記SNSをチェック!)
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