「未来を語る傷」【SSWアキラのアキラめない日々:50】|Q-WEST(クウェスト)・関西カルチャー探求WEBメディア

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「未来を語る傷」【SSWアキラのアキラめない日々:50】

2024. 05. 10 Fri

どうも皆様おはようございます。
またはこんにちは、こんばんは。
シンガーソングライターのアキラです。

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今回は、最近お気に入りの楽曲紹介。
自分が書いた曲を振り返ると、自分自身の考えや感情を整理できる気がする。

—–

最近、よく昔を振り返る。
それが良い時もあれば悪い時もある気がしている。

30代も折り返しを迎えて、私もいいオッサンになった証拠か?なぁんて考えたりもするけれど、たぶん単純に、現状に満足できていないからなんだと思う。

昔はよかった。なんて言う気は毛頭ない。いつだって今この瞬間が最高の自分で、昔語りをする暇があるならこれからの自分を如何にして磨くかに時間を使いたい。

「なにをしてきたか」よりも「今なにをしていて、これからなにを成すか」の方が重要だから、自分を語るなら後者で語りたいと強く強く思う。

でも、それでもやっぱり振り返りたくなる時もある。

—–

脱サラしてすぐの頃、ちょうどタイミングが合って中学校の時の友人と3人で飲みに行くことになった。

一人は独立して自分の店を持つため。
一人は趣味を極めるため遠くに移住を決めて。
私は、人生をかけて音楽の道を歩くため。

三者三様に、人生の分岐点にいる時期だった。

3人で行ったホルモン焼きの店で、これからの未来を語ったあの夜。彼らはどうしているのだろう。今も変わらず、自分の想い描いた未来を生きているのだろうか。

私だけが、鳴かず飛ばずなんだろうか。

昔をふり返ると、良い思い出も悪い思い出もある。しかし、良い思い出のはずなのに、それ自体が自分の首を締めている気がしてならない夜もある。あんなに笑った夜なのに、それがあるからこそ苦しくなったりもする。

もちろん、それだけではない。あんなに笑った夜があったから今を生きていて、夢を語った夜があるから「まだまだやれる」と奮起できる日もある。

古傷は、ふいに傷んだ時にこそ、未来に向かうための傷みを思い出させてくれたりする。

「未来を語る傷」

目の前の出来事から
逃げ出したくなった時は
お前らのことを思い出してるんだ
俺はまだここにいるよ

夢を語った居酒屋で
飲めない酒を舐めながら
たった一杯で笑い転げて
気付けば朝になってた

駅前のビルは取り壊されて
新しいマンションになってる
近所の公園の錆びた遊具は
「危ないから」ってなくなった

取り残されて置いてけぼりさ
俺だけ一人広すぎる街で
あの日の朝も明日の朝も
変わらないまま日は昇るのに
涙が出るほど笑った思い出が
涙が出るほど胸を締め付けるんだ

「大人になる」ってことが
「無駄にカッコつけること」ならば
「大人になった」って言われることは
さみしいことなのかな

似たりよったりの繰り返す日々に
今でも戸惑ってる
飾らないことはみっともないかな?
あの日の「僕」は笑うかな

今に見てろって振り上げた拳で
頭をかいて本音を隠した
それでも胸に隠した刃は
あの頃のまま曇り一つない
涙が出る程悔しかったから
涙が出る程諦め切れないんだ

ほんと時々だけど
今でも考える
死にたくなるほど虚しくなるんだ
なにをやってるんだろうな

手首に白く残った傷は
あの頃にもう忘れていたのに
今頃になって思い出すんだ
でもそれはきっと走り出す合図

涙が出る程死にたかった夜が
涙が出る程俺を支えてるんだ

目の前の出来事から
逃げ出したくなった時は
もう一度胸を張って
夢を語ろうか

—–

読んで下さりありがとうございました!
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アキラ

文:アキラ(大阪を拠点に活動中のシンガーソングライター。最新情報は下記SNSをチェック!)
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